英語の時間になると、
黙ってしまう子がいます。
目をそらしたり、
何も言えずに固まってしまったり。
そんな姿を見ると、
「まだ早いのかな」
「やる気がないのかな」
と感じてしまうこともあります。
でも、これまでの経験から感じてきたのは、
英語が出ない理由は、能力ではなく
戸惑いや恥ずかしさ、そして「難しすぎる英語」にあることが多い
ということでした。
最初は、英語が出なくて当たり前だった
私が関わってきた子どもたちも、始めたばかりの頃は
- 何を言えばいいかわからない
- 間違えたらどうしよう
- 英語が難しくてついていけない
といった気持ちが重なり、
英語を振っても反応が返ってこないことがよくありました。
時には、不安で涙を流した子も。私もその時はとても不安になりました。
そんな子も今では、自ら英単語を積極的に話し、新たに学習した単語を自ら単語帳にまとめるなど
英語が大好きになりました。
TESOL① 情意フィルターが高いと、英語は出ない
TESOL(英語教授法)の分野では、
学習者が
- 不安
- 緊張
- 恥ずかしさ
を感じている状態では、
英語がうまく身につかないと考えられています。
これを
情意フィルター(Affective Filter) と呼びます
(Stephen Krashen)。
叱られたり、無理に言わされたりすると、
このフィルターは高くなり、
英語は頭に入りにくくなります。
そこで私は、
言えないことを叱らず、
安心して参加できる雰囲気をつくること
を大切にしてきました。
TESOL② 「少し頑張ればわかる」英語が必要だった
もう一つ、とても大事だと感じているのが
理解可能なインプット(Comprehensible Input) です。
これは、
「全くわからない英語」でも
「簡単すぎる英語」でもなく、
少し頑張れば意味がつかめるレベルの英語 が
言語習得に効果的だという考え方です。
実際、大人が英語を教えていると、
良かれと思って
- 長い英文を使ってしまったり
- 説明が多くなりすぎたり
して、
子どもにとっては
「どう頑張ってもわからない英語」
になってしまうことがあります。
この状態では、
聞こうとする意欲そのものが下がってしまいます。
ゲームがこの2つを同時に満たしてくれた
私がゲームを取り入れてよかったと感じているのは、
情意フィルターを下げながら、
理解可能なインプットを自然に用意できるからです。
例えば、
- True / False のシンプルなやり取り
- 繰り返し出てくる同じ表現
- 結果がすぐに分かる流れ
これらはすべて、
「なんとなく意味が分かる」英語を
何度も安心して聞ける環境を作ってくれます。
英語が
「怖いもの」ではなく、
「参加すればわかるもの」
に変わっていきました。
「なぜゲームにすると英語が出るの?」の記事はこちら
英語は、出る前に「準備」が必要だった
英語が話せるようになる前に、
必要だったのは、
- もっと練習すること
- 正しく言わせること
ではありませんでした。
安心して聞けること
少し頑張ればわかること
この2つがそろったとき、
子どもたちは
自然と英語に向かい始めます。
少しずつ見えてきた変化
- 一語だけ、そっと言ってみる
- 友だちの言葉をまねしてみる
- 小さな声でも英語を口にしてみる
それはとても小さな変化ですが、
確かな一歩でした。
まとめ
英語が出ない時期は、
「まだできていない時間」ではなく、
英語を受け取る準備をしている時間です。
叱らず、やめず、
楽しい形で続けながら、
- 情意フィルターを下げる
- 理解可能なインプットを重ねる
この積み重ねが、
英語が出る瞬間につながっていくと感じています。

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