Teach Backとは?「教えることで学びが深まる」海外の学習法を家庭で取り入れる

子どもに「今日学んだことを教えてみて」とお願いすると、
最初は「えー!」と言いながらも、一生懸命自分の言葉を探そうとします。

実はこの “誰かに教える” という行為 は、
海外では「理解を最も深く定着させる方法」として知られています。

この学び方は Teach Back(ティーチバック) と呼ばれ、
もともとは医療現場で生まれた方法です。
医師が患者に治療内容を説明し、その理解を確認するために
「では、今の話をあなたの言葉で説明してみてください」
と促す手法が始まりでした。

海外教育メディア Edutopia や Corwin Connect では、
この Teach Back を 「子どもの理解を深める学習法」 として紹介しています。
実際に、子どもが「教える役」になることで、学びの主体性や自信が大きく育つと言われています。

この記事では、
Teach Back の起源(医療) → 教育現場での広がり → 家庭での実践
という流れで、今日から使える3つの方法を紹介します。


目次

Teach Back の起源:医療で生まれた“理解の確認”

Teach Back は、医師と患者のコミュニケーションを改善するために開発されました。

  • 医師が説明した治療内容を
  • 患者が自分の言葉で “教え返す(説明し直す)”
  • どこが理解できていて、どこが曖昧かを確認できる

という、シンプルかつ強力な方法です。

医療現場での成功から、
「自分の言葉で説明する=深い理解につながる」
という効果が教育分野にも広がりました。


Teach Back が教育で注目される理由

Edutopia の記事
Positioning Elementary Students as Experts in Math Class
では、子どもを「学習の専門家」として扱い、友だちに説明する場を作ることで理解が深まると紹介されています。

ポイントは:

  • 教えるためには、内容を整理する必要がある
  • 自分の言葉で説明すると、理解していない部分に気づきやすい
  • 説明できたという成功体験が、自信につながる

また、教育研究サイト Corwin Connect の
Teaching Students to Drive Their Learning by Teaching Others
では、Teach Back が 「主体的な学習を育てる方法」 として詳しく解説されています。

教えることで、子どもの中に
整理 → 理解 → 応用 → 自信
という学びのサイクルが生まれるのです。


教員経験と Teach Back

私が小学校教員をしていた頃は、問題を考えたあとに「隣同士で確認タイム」を入れていました。
自分の考えや解き方を隣に説明する、いわば小さな Teach Back の時間です。

スムーズに言葉が出てこなくても、隣のお友達が自然にサポートしてくれるので安心して話せますし、
説明できたことで自信をもった子の中には「先生、私も発表したい!」と手を挙げるようになった子もいました。

特に、高学年で「意見を言うのが恥ずかしい」と感じていた子たちには大きな効果があり、
教室の雰囲気が少しずつ前向きに変わっていくのを感じました。

また、オンライン塾講師として授業をしていたときには、
「今日の学習のポイントは何かな?」
「これをクラスの友達に説明するなら、どうやって話す?」
などの問いかけを行い、自然にアウトプットを促していました。

説明しようとすると、子どもは必ず “自分の理解” に向き合います。
その瞬間に、学びが深く定着していくのだと実感してきました。


家庭でできる Teach Back:3つのステップ


① 「教えてタイム」を1〜5分作る

学習後に短い時間でも良いので、説明の場をつくるだけでOKです。

例:

  • 今日の算数のポイントを1つ教えて
  • 本で読んだことを教えて
  • 今日の気づきを教えて

短い時間でも、説明する習慣 を作ることが大切です。

学びを自分の言葉で整理する力は、感情の言語化にもつながります。
海外教育でも重視される SEL の実践については、こちらで紹介しています。
👉 SELの実践記事はこちら


② 教える相手を設定する

子どもは「誰かに教える」と意識するだけで、説明の質が変わります。

相手は誰でも構いません:

  • 兄弟姉妹
  • ぬいぐるみ
  • Lego の人形
  • キャラクターシール

ぬいぐるみに丁寧に教える姿は可愛らしいですが、
その裏側で深い学びが起きています。


③ 終わったら “承認のひと言” を添える

Teach Back の本質は、理解を整理し、成功体験につなげること。

だから、説明が終わったら短くてもよいので、

  • 「教えてくれてありがとう!」
  • 「わかりやすかったよ」
  • 「次はどこを説明してみたい?」

など、承認のひと言 を添えます。

Corwin Connect の記事でも、
「評価(Evaluation)ではなく、承認(Affirmation)が大切」
と書かれています。

子どもの思考をゆっくり育てる方法としては、
“答えを急がせない Wait Time” もとても効果的です。
👉 Wait Time の記事はこちら


Teach Back を続けるコツ

  • 完璧を求めない
  • 説明が短くてもOK
  • 週1回から始める
  • 「難しい」と言われたらテーマを変える
  • 親が笑顔で聞く(これが一番効く)

家庭は「安心して試せる場」。
子どもも気軽に説明しやすい環境が整っています。

子どもが自分の考えを言葉にするためには、
日々の問いかけもとても大切です。
👉 問いかけで学びを広げる方法はこちら


まとめ

Teach Back は、医療で生まれた「理解を確認する方法」が教育へと広がり、
今では子どもの学びを深める強力な手法として注目されています。

  • 自分の言葉で説明する
  • 理解が整理される
  • 自信が育つ
  • 主体的な学びにつながる

家庭でも5分で始められるので、
今日から「教えてタイム」を取り入れてみてください。


参考

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この記事を書いた人

Maron(まろん)です。
大学時代に1年間の留学を経験し、TESOL を取得。TOEIC 935点。
その後、塾講師・オンライン塾講師・公立小学校教員・特別支援学級の非常勤など、約14年間教育に携わってきました。
海外の教育理論や実践を、日本の家庭や学校にも届け、学びの幅が広がるきっかけになればと思い発信しています。

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